
ネットニュースを見ていたら、三菱重工が画期的なAGT(新交通システム)車両を開発したと出ていました。外部からの電気供給が不要というのが売りだそうです。読み進めると電源はキャパシタ(蓄電器:超大容量コンデンサ)ということで、30秒充電すると2㎞は走れるということです。加減速を短周期で繰り返す場合は特に有利とされています。ポピュラーなバッテリー(蓄電池)は充電するのに数時間を要するのと重量がバカにならないほどあるという短所があります。キャパシタはこれをクリアして架線ナシを実現する一つの有力な方式です。
キャパシタ電源、実は中国や台湾ですでに路面電車で実用化され、特に中国では架線レスの標準方式になっています。日本でも自動車の世界では実用されていますが、鉄軌道では、聞くところによれば国の規制や指導で手付かずでした。理由は事故等で充電できない場所で立ち往生した場合、すぐ放電してしまい、必ず救援が必要となるからということのようです。
このあたりの国の考え方は変わらないようですが、今回開発されたシステムは、用途を空港のターミナル連絡等など短距離で外部要因の事故がない箇所には最適と説明されています。通常の新交通より安価なのは間違いありません。キャパシタはアカンという常識に風穴を開けたこのシステム、今後に注目したいです。