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岐阜県がLRT構想

赤線がさしあたって想定されるLRT路線
赤線がさしあたって想定されるLRT路線

岐阜県庁は2011(平成23)年に岐阜市中心部、市役所の隣から約4km離れた郊外に移転しました。JR岐阜駅の隣の駅西岐阜駅から約1.5㎞の場所で、広々とした環境になったのはいいのですが、交通が不便で行きにくいという問題が指摘され続けてきました。

 

 202571日、県知事は県議会で岐阜羽島から北へ、県庁付近を経由して東海環状道の岐阜IC付近までのLRTを検討すると発表しました。LRTは 堺市の失敗で冷水が浴びせられたものの、富山、宇都宮の成功、さらに広島での発展を目にして、今回の岐阜も含め各所で交通事情改善のためLRTの検討がされてきているのは素晴らしいことです。

 

ただ路線の今回の場合、路線の大半が通る岐阜市とのすり合わせはされていないようで、突然の話で市は困惑を隠せないようです。特に岐阜市は名鉄の岐阜市内線を半ば見捨てた経緯もあり、簡単には県に同調することはないと思われ、このLRT構想は県の単なるケーススタディに終わる可能性が高いと思われます。

 

 大阪でもかつて、2012年に維新政権の大阪都構想の一環で、府市統合本部会議でグランドデザイン大阪という行政計画を策定したことがありました。その中に天王寺から日本橋を通って難波までのLRT構想があって一時話題となりました。しかし、維新の府市蜜月政策にあっても大阪市内の交通については市の専管であるとして、市として検討に値せずと(一笑に付し)、大阪都構想も頓挫してほぼ消えてしまいました。

 

 

岐阜市の場合は政令市ではないので県の方針を一蹴することはできないでしょうが、県市不協和で難航するのは目に見えるようです。