大阪最後の第4種踏切解消へ

改良工事中の石津2号踏切
改良工事中の石津2号踏切

 阪堺電車の石津2号踏切、ここはいつの間にか大阪府内に残る最後の第4種踏切(古い言葉で無番踏切)になっていました(他府県ではまだまだあります。)

 全国のどこかで第4種踏切に事故があると大阪中のマスコミがこの石津2号踏切に取材にやってきます。停留場に近くて速度が低く、しかもやってくる電車がチンチン電車では、迫力も説得力も欠けます。しかしテレビのニュースで映りますので一々ウザく、格好も悪いということで、このたび改良されることになりました。

 この踏切はいわゆる勝手踏切ではなく正式な踏切です。警報機などはありませんが、60mほど離れたところにある別の踏切の警報音が聞こえますので電車の接近は分かります。その踏切に統合したらいいのでしょうが、周辺の道路が複雑で大きく回り道をしなければならないのでそのままとなっているのでしょう。

 石津川橋梁に近いため線路が高い位置にあり踏切を渡るには階段を上がらなければなりません。自転車も含め諸車は通行できませんので、この踏切で事故が発生する確率は低かったと思われます。

踏切でない横断路
浜寺駅前の踏切のように見えても踏切でない横断路 ここは併用軌道部

 路面電車(軌道)でも新設軌道(専用軌道)の場合、鉄道(南海線やJRなど)と同等の安全設備を設けるように国は指導しているようです。必ずしも全国一律ではなさそうですが(長崎では結構な交通量のある踏切でも警報機や遮断機はない)、少なくとも大阪ではその様です。

 法制度的には踏切というものは新設軌道にしか存在しません。併用軌道(道路上軌道)には踏切という概念がありません。

 「踏切」改良や「踏切」廃止のための立体化などには公的補助がでますが、踏切のようにみえても併用軌道部の交叉箇所に安全設備を付けようとしても補助制度がありません。結局、放置やむなし、事故もやむなしとなってしまうようです。無責任のように思えますが、そもそも路面電車(軌道)の場合、道路上で自動車との事故は踏切事故ではなく道路傷害という区分で頻繁に起こりうる想定の内です。その事故った後の修理のことも考えて車両設計がされています。 

 世界中見ても路面電車でステンレスやアルミ製の車両がほとんどないのはそのためです。