
19世紀最後の年1900(明治33)年9月20日に、阪堺電車の前身の一つである大阪馬車鉄道が天王寺村長者ヶ崎・同村阿部野南阪田間(現在の上町線天王寺駅前・東天下茶屋間)を開通させて1世紀と25年になりました。大阪の鉄軌道で蒸気鉄道以外の最初のものです。また関西では伊丹の川辺馬車鉄道とともに2例しかない馬車鉄道の一つです。
大阪馬車鉄道は、大阪市内ではなく周辺部を走るもので、都市交通とは言い難いものでした。
京都ではこの5年前、1895(明治28)年にすでに電車が走り始めていて、商都大阪において馬車鉄道はいかにも時代遅れということで人々には全くアピールしませんでした。
開業後も乗客は少なく欠損が嵩んでいたようです。そこで馬車鉄道会社は電車化を目論み、馬車を一旦営業廃止し、改めて、1903(明治36)年に開通した大阪市電に合わせた規格で線路を敷きなおすこととしましたが、その工事中に南海鉄道に合併されました。1910(明治43)年10月1日に南海鉄道の上町連絡線として改めて電車で再開業しました。
新聞記事は 明治33年9月19日付大阪朝日新聞
起点が天王寺南站(関西鉄道停車場付近)となっており天王寺西門前ではないことに注意