運転士不足をどう乗り切るか。
国内の特にバス会社では運転士不足が大きな問題となっていて所定の運行をこなす事ができなくなり、各所で減便が相次いでいます。運転士数の絶対的不足に加え運輸業の超過勤務規制の影響を大きく受け、乗客減少ではなく事業者側の問題で減便せざるを得ない、という窮地に陥っています。比較的勤務条件すなわち待遇がいいと言われる公営交通ですら例外ではないようです
第2次世界大戦中から戦後にかけ、ヨーロッパでも深刻な人手不足に苦しみました。市内交通機関でも多くの運転士や車掌が戦場へ赴いたため不足し、日々の運行に支障を出すまでになっていました。それまではバスも電車も運転士以外に車掌が乗務し、2両・3両編成の市街電車ではそれぞれの車両に車掌が乗り乗客1人1人に切符を発行していました。しかし人手不足でバスは運転士が切符を発行するワンマン運行となり、電車では2両編成でも車掌は1人とし、切符を購入する客は車掌乗務の車両に乗る、定期券を持っている客は無車掌の車両でもOKという扱いを始めました。

もともと諸外国では運転士は運賃収受に関わらず、車掌は自分が発行した切符を回収しないことがほとんどでしたので抵抗は少なかったようです。
車掌を廃止し運転士に転換した上で、より少ない人員でより多くの乗客を運ぶという命題の解決法でした。
国によっては「オネスティボックス(正直箱)」という無人運賃箱を各車内に設置し、乗客が自ら運賃を投入するという信用乗車の原型が現れました。ドイツなど西側の一部の国では小形の車両を連結するスタイルから連節車方式の大型車両を開発しより効率的に運べるようにしました。
戦争で働き手が減ってしまった危機を克服した知恵と手法から、ヨーロッパで現在主流となっている乗客の責任で運賃を払う、日本でいわれるところのセルフサービス、信用乗車という運賃収受方式が確立していきました。その結果、トラムの場合、運転士1人で200人以上を運べるようになり、現在の順調なトラムの運営の礎のひとつとなりました。
