【3】始発駅での乗客の心理 的確・親切な案内を
始発駅や空いた状態で電車が到着する駅では、乗客は、座りたいため目の前の電車の座席がほぼ埋まると、次の電車を待とうという人が出てきます。阪堺電車の天王寺駅前のように行先の違う電車があるところでは、先発が途中駅までの電車の場合目的地まで行く次発を待つ人も普通にいます。
狭いホームでこの二つの乗客をうまく分けないと、目の前に止まっていてまだまだ余裕のある電車に乗れないということが起こります。正月には、短い折り返し時間こともあり、大行列を尻目にスカスカの電車が発車していくという場面にも出くわすことがあります。
まず、前の人と適切な間隔で並んでもらうことと、先発電車に乗車の列と、あとの電車に乗車の列を分けて並んでもらう必要があると思います。熊本市電の健軍町でも始発停留場として同様な状況があり、手作りの誘導案内表示を設けています。天王寺駅前もこのような案内があればと提案します。
熊本市電健軍町の誘導案内
それと、天王寺駅前の上屋からぶら下がる「ここを先頭に並んでください」の札は、実際の乗車口前より2m近く手前にあります。乗車口前を先頭に並んでもらえればいいと思うのですが。
堺は東西交通が弱いとはだれもが認めるところですが、二大観光スポットである百舌鳥の古墳群の大仙公園と旧市内環濠内との間は直通する公共交通は存在しません。以前、堺市がループバスと称して小型バスを運行したことがありましたが失敗・撤退してしまいました。
しかし、観光を売り出しているのに、ほったらかしというのもあまりに無責任、当事者意識がないと言わざるを得ません。
そこで、RACDA大阪・堺は、一つ提案をしたいと思います。それは既存のバス路線の延伸です。現在、深井駅方面から百舌鳥駅前を通り堺東まで結ぶ南海バスの田園線というのがあります。
この路線を堺東から、大小路・宿院を経由して堺駅前まで延長すると、1時間に1本ですが堺駅から大仙公園までがつながります。また大仙公園から向うは百舌鳥八幡宮、御廟山古墳そしてユニークな史跡「土塔」へ行くことができます。こうすることで有力な観光路線になるでしょう。 (2024.11)
車内全てのリーダが使えるようにして
PiTaPaや ICOCAなどの全国交通系ICカードシステムは、阪堺電車では他社より少々遅れて2014年4月1日から導入されました。ICカードを利用するときには、乗車時と下車時の2回リーダにタッチしなければならず、乗るときにタッチしなければ下車時エラーとなってしまいます。
阪堺電車はPiTaPaの割引や乗り換えの処理のため乗車地と下車地を把握できる2回タッチを採用しています。2回タッチでは、乗るときタッチを忘れると下車時にエラーとなり乗務員が操作しなければならず、スムーズな降車が阻害されるという悩みがあります。エラーに対応する乗務員のストレスも大きいでしょう。
他社局を見れば均一運賃でも大阪シティバスや堺シャトルバスのように下車又は乗車の運賃支払い時に1回タッチすればいいというところもあります。1回タッチは1発勝負のため単純でいいように思えますが、誤収受が発生しやすいという弊害があります。
阪堺電車は、中扉乗車口右側に(降車口にも)1基リーダがあります。車両の形式によっては乗り込んでから”回れ右”しないとリーダが眼に入ってこない車両もあります。広島では乗車口の両側に、乗り込む人の目線の先にリーダがありスムーズな乗車ができています。
阪堺電車では「タッチしてください」とうるさいほど自動アナウンスが繰り返されていますが、乗客に視覚で注意を促すような、リーダ機器そのものへの分かりやすい乗車タッチの表示がありません。そのためか降りるときに乗車リーダに誤ってタッチする人も多く見かけます。他社局ではリーダにシールを貼るなど、乗客の目に入るよう表示がされていることが多いです。
「乗る時に扉の右側の乗車リーダに・・・・」⇒⇒⇒
「乗車されましたら車内4カ所の乗車リーダにタッチして」
RACDAは提案します。まず乗車用リーダに乗車専用タッチの表示をすることと、もう一つ、これが一番言いたいことですが、現在は扉が開いている側のリーダしか生きておらず、扉が閉まっている側は死んでいるのですが、これをどのリーダも使えるようにしたらいいのではと思います。乗車口の左方から乗り込んだ人の目にまず飛び込んでくるのが反対方向乗車口のリーダなのです。
現在、乗車口右側にしかリーダはなく折角の2人並んで乗れる広い扉が生かされず乗車に手間取ります。また繰り返し読み取りエラーを出す、乗車ステップ上でカバンの中からカードを探すなど、リーダの前に立ちふさがって、乗客の流れが滞ることも多くあります。特に乗客が多いラッシュ時や正月など影響は大です。車内の全リーダを活かすことにより、乗ってから近くのリーダにタッチでき相当に乗客の流れが大幅に改善されると思われます。 (2024.12)