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オーバーツーリズム

インバウンドが復活してきて、オーバーツーリズムという言葉がまた聞こえてきました。

京都では、市民の足のバスが観光客で超満員となり市民が乗れなくなっています。バス輸送の限界をさらけ出しているようです。そこで交通局は、観光客をバスに出来るだけ乗せないためにバスの1日乗車券を廃止するとしています。値段が少し高い地下鉄とバス両方乗れる1日券を使ってもらいたいらしいようです。

たしかに京都には観光客は怒涛のように押し寄せているのですが、問題行動をするわけではないその観光客に矛先を向ける市交通局の姿勢に、疑問を感じざるを得ません。

京都ほどの大都市にもかかわらず、市中心部を網羅する高速鉄道が貧弱で、その高速鉄道とバスの連携が、日本的に(日本ではどこでもそうですが)出来ていません。地下鉄から地上に出てもバス停が交差点から離れていてどこにあるかすら分かりません。これを観光客に乗り換えながら使えというのは無理でしょう。また運賃制度のバリアもあり市の1日券では中心部地下を通っている阪急や京阪には乗れません。

観光客がまず降り立つ京都駅からならば駅前バスターミナルから市内中心部どこへでもバスがあり、これが肝心ですが案内もしっかりしている。外国人が集中するのも当然です。

このようになってしまったのは、交通政策が間違っていたためで、さらに45年前、さっさと市電を廃止してしまったことも大いに悔やまれます。車に街を明け渡すか、市電を近代化するかの選択で前者を選択してしまいました。

バス化してしまったのなら、バスがスムーズに走れるよう自動車を減らしたり、信号優先化や大型の連節バスを走らせるよう目指せばよかったのでしょうが、縦割り行政が当然の日本では困難だったわけで、「市電やめた、地下鉄堀った、あーヤレヤレ 交通局の仕事はここまで」で止まってしまっているのが現在の混乱につながっていると思います。