阪堺電車の停留場にも駅ナンバリングがされています。一つ気にかかるのが、船尾がHN29、浜寺駅前がHN31となっていて、「HN30」がありません。なぜでしょう。
実は、南海線の高架化と関係があると言われています。浜寺の南海線高架化では、阪堺線と南海線のクロスの対応が工事のネックです。上を越えている阪堺線を下に下ろし南海線の高架をくぐるようにするというのが当初建前上の予定でした。本来、両者が協議しその結果の工事方法で、事業主体(浜寺の場合、2005(平成17)年の計画決定当時は大阪府、政令市昇格後堺市に移管)が計画決定するという手順です。
上になる方と下になる方、それぞれ主張があるわけですが、最近は、一晩で上下を入れ替えるという運休を伴わない工法がよく使われます。工費が高くなることを除いて両者ウィンウィンになるはずです。記憶に新しい所では姫路のJRと山陽電車の例があります。費用も連続立体化の場合約9割は公費です。ところが、浜寺の場合、当事者は親会社と子会社の関係のため立場が一方的で、親会社の持ち出しが少しでも少ない方法が選択されたようです。

実際に工事が行われる時点では、阪堺線の廃止が織り込み済みで存在しないことが想定されていた気配があります。しかしその後、堺市が阪堺線の存続を決定したため、苦し紛れに工事期間中、工事区間の阪堺線を運行休止することとされました。
具体的には、ときはま線踏切の船尾寄りに阪堺線の仮終点を設け、ときはま線沿いの墓地西側の道路用地から浜寺公園駅西側ロータリーまで代行バスを走らせるというもので、まず仮終点とバス停までかなり遠いのと途中開かずの踏切を通過し、場合によればバスの運行所要時間は15分、南海線を降りてから阪堺線仮停留場に着くまで(その逆方向も)なんと20分以上かかるという呆れたものでした。しかも運休期間は相当長期にわたり10年近くになるのでは、とも言われていました。HN30はその仮終点に割り当てる予定だったようです。
その後、堺市の市有地である水路を埋め立てそこに阪堺線を単線で通し、浜寺公園駅の北東に新しい浜寺駅前終点を設けるというように変更され、阪堺線の長期運休は回避されました。よって代行バスも仮終点も消えてなくなりHN30は幻の駅ナンバーとなりました。
しかし、船尾と浜寺駅前間は距離が長く、途中にもう一つくらい停留場があってもいいのではないでしょうか。周辺の人にも便利になって乗客も増えると思うのですがいかがでしょうね。
