· 

公共交通の市民運賃と「よそ者」運賃

京都市が市民のバス運賃を値下げする一方で市民以外の利用者の運賃は350円~400円に値上する案を発表しました。京都は軸となるべき鉄軌道交通がばらばらでネットを形成していません。約50年前に市電を廃止してバスに置き換えたままで、バスがメインの市内公共交通網に輸送能力を越える大量のインバウンドを含む観光客が押し寄せ、市民に甚大な影響が及び大混乱となっているのを是正する作戦の一つのようです。よそ者(洛外の人)を見下すDNAを持つ京都ならではとも思いますがアプローチが拙いですね。

 

京都ほどの大都市で、主たる公共交通である市営バスが、市民とそれ以外の差別運賃を採用している例は(かつての中国や北朝鮮を除き)世界を見渡してもないと思います。(日本では山間部のコミュニティバスで利用は住民限定というのはあります。また堺の気球のような観光施設での差別料金は許容されてもいいでしょう。)

 

諸外国では公共交通利用に住民・市民が非常に安価で入手できる定期券を発行している例は多くありますが、あくまでも市民サービス・(広い意味での)福祉の一環であり、交通政策の失敗を取り繕うためのものではありません。国はどういう理屈でこの二重運賃を認可するのでしょうか。

京都 問題視されている外国人観光客
京都 問題視されている外国人観光客

市内に住民票がある人以外、市内に通勤や通学する人は観光客と一緒クタでいいのでしょうか。そもそも最近の内外所得格差から運賃を500円にしてもインバウンドの利用抑制につながるとは考えにくいですね。そして日本人の京都離れや、交通事情を一層悪化させるマイカーでの観光を促してしまうでしょう。

 

バスしかないのならそのバスの輸送力を上げる、バスの能力をさらに発揮できるように道路交通環境を整えることをまずは第一に考えることが求められます。例えば名古屋市で走り始めた、地下鉄の輸送力不足を補う(こちらも苦肉の策の一つで、交通局ではない部局が所管するなど問題点も多く指摘されていますが・・ )SRTバスシステムなど参考になりそうです。

名古屋のSRT 市が運営しているが市バスではない
名古屋のSRT 市が運営しているが市バスではない

<前の記事             次の記事>