堺浜シーサイドステージを覚えていますか

1980年代臨海工業地帯堺2区の基幹企業である新日本製鐵(当時)の大幅事業縮小により広大な遊休地が生じ、大阪府や地元堺市で深刻な課題になっていました。この土地の活用策の一つとして2006年に作られたエンターテイメント・コンプレックスです。工場地帯の工場跡地の活性化、にぎわい創出という命題でしたが、広大な駐車場さえあれば、砂漠の真ん中でも集客は可能という壮大な社会実験ともいえるものでした。

 

堺市は堺浜を副都心の一つとすることも視野に入れていてその最初の第一歩でもありました。堺市中心部とは骨太の公共交通であるLRTで結ばれる計画でした。堺市のそのようなビジョンのもと、シャープの進出が決定しました。ところがシャープの進出決定のすぐあとLRT計画は中止されてしまいました。その後も交通改善が見られぬまま10数年が経過し周辺は大企業のロジスティック、物流基地が立ち並ぶことになり大型トラックが行き交いますが、賑わいは見られません。首都圏の湾岸地区とは全く様相が異なります。

シーサイドステージはここにありました

シーサイドステージには、建設当時ブームであったシネコンのMOVIXなどが入る「えんため館」、温浴施設の「楽天温泉祥福」がメイン施設でした。凹形の2区埋立造成地の入り江部は海浜公園に整備され、シーサイドに偽りはなく、うまく育てられればリゾートで売り出せそうな感触すらありました。オープン当初は路線バスの運賃を無料化にするなど来場者もそれなりにあって話題となることもありましたが、徐々に忘れ去られていったようです。

 

20年間の土地の貸借期限の到来にともない、いずれのテナントも契約延長はされず20263月に完全に閉鎖されました。現在、バス停名にはシーサイドステージが残っていますが、敷地は塀で囲まれ、内部では建物の解体と駐車場の更地化の工事が進んでいます。殺伐とした風景に戻りました。

塀で囲まれたシーサイドステージ跡 建物の解体と広大な駐車場は更地化が進む

堺浜に都市機能は微塵もなく昼間は1時間に1本か2本の路線バスに頼らなければならない辺陬の地、シャープが本社を引き払ったのは無理からぬことと思います。

シャープ旧本社前のバスターミナル
シャープ旧本社前のバスターミナル 出退勤時以外は閑散としている

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