
2024年1月1日ついにLRTの環状化が完成、夕方6時から試験運営が開始されました。試験運営と言っても通常営業運転と同じですが、2月25日までは、ICカードをタッチすれば全線が無料で乗車できるそうです。
台湾南部の大都市、高雄市は270万人の人口があります。かつては良好な港湾をベースに重工業としでしたが海外移転が相次ぎ最近は空洞化が進んでいました。
高雄市は早くからLRTに着目し、2004年2月に市内の公園に実際に200m程のレールを敷設し、ドイツから実車を持ち込み、市民を対象にデモンストレーションを行いました。その後、市内中心部と、空洞化して再開発が必要な臨海部を結ぶ環状のLRTを建設することに決定、反対運動やガス爆発などの障害を克服しながら、2015年10月に最初の区間が開通したのを最初に7次にわたって延長され、この度めでたく全22.1㎞の環状線が完成しました。
臨海部と中心市街地を結ぶというのは堺と同じ状況で、堺が机上で具体化を進めていた2004年に外国企業から借りたLRT実物を動かして市民にPRするなど、気合の入れ方が違っています。着工は堺がつぶれた後の2013年で、その間、堺と同じようにLRTに懐疑的な市長が就任したこともありましたが、計画はぶれることなく10年をかけて計画全線が完成しました。両市の行政力の差を感じざるを得ません。