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交通事業の付帯サービスが次々と廃止 ついに時刻表も

広電の発車案内板
わが国では珍しい広島電鉄のホームの電車情報表示。国のモデル事業として補助を受けて設置されました。お金がかかるのか、到着時間が計算しやすい地下鉄や鉄道でもほとんど見かけません。

国鉄民営化直後は、JRも他の電車・バスも利用者が驚くほどサービスがよくなりました。増発や国鉄時代にはなかった付帯サービスも充実して行きました。ところがコロナを契機にこれらのサービスが次々と縮小、廃止されギリギリ運輸事業だけが維持されているというような構図ができてきています。その中で、ついに駅の時刻表の掲出も経費節減のため廃止する動きが広がっているそうです。駅に必ずあったはずの時刻表もスマホで見てくれという時代になりつつあります。

かつては、待つほどもなくやってくる市内電車などでは始終発のみ停留場に掲出すればいい、ということもありましたが、待つのが当たり前だった鉄道では時刻表掲出は法定必須であった。列車が増発されていっても種別や行き先が多様な鉄道では基本中の基本サービスの一つでした。時刻に厳しい日本人には当然のものと受け入れられていたものです。

日本以外の国で普及してきている列車情報案内は、列車・バスの発車時刻を表示するのではなく、「あと何分で〇〇行が来ます」という案内の仕方で、トラムやバスで普通に見かけます。「手前の駅を出ました」は日本でもよく見かけるがデジタルで〇分というのはほとんどありません。日本のトラムやバスでは交通信号などにより「あと何分」が計算しにくく、非常に大掛かりなシステムが必要になるからでしょうか。さらに表示通り来なかったらクレームを入れる者が次々現れるという許容性がない社会では、交通事業者側としてはそこまで乗客にしてやる必要はない、となるのは無理ない所です。そこで大昔からの時刻表を掲出して片付けていたわけです。

 

その時刻表掲出を廃止するのであれば、スマホで自分で調べろ、ではなく、駅の列車案内にあと何分で来るという情報を出してほしいと思います。