
イラン情勢は悪化の一途で当分改善の兆しはなさそうに見えます。
IEA(国際エネルギー機関:第1次オイルショックを契機に創立)はイラン情勢悪化に伴い、石油や天然ガスが世界的に不足するため、自動車の使用を抑制し公共交通機関使用の奨励などいくつかの提言を行いました。
日本政府は、今のところ備蓄に余裕があるためか、税金から補助金を出してガソリン価格を抑える方向です。政治的にも生活の一部となっている自動車の使用への影響を小さくしたいわけです。 ただ冷静に考えてみると、ここで求められるのは石油等の節約のため需要をおさえることです。補助金でガソリン値段を安く押さえると使用量はあまり減らず、長期化すると、油の備蓄も国の予備費も底をついてしまいます。持続可能な政策とは言い難いものです。
公営バスのディーゼル燃料調達のための入札が成立しないケースが続出しているそうです。一定期間燃料を納入するという公的機関の物資調達方法での調達ができない状況にもなっています。民間ならもっと柔軟に対応できるかもしれませんが、いずれにしろ燃料調達の不安定化、価格上昇がますますバス事業を苦しめていきます。電車やEVも安心できません。電力の過半は火力発電で、石油や天然ガスに頼っています。不安が残る原子力発電との天秤で悩ましい所です。
マイカー使用を控えることで、公共交通への転換が進んでも、疲弊した公共交通側が受けられるか心配です。そもそも地域に公共交通が残っているのかも怪しい時代となっているのです。少々極端かも知れませんが、戦時中を思い起こせば、石油が無くなり木炭バスや薪バスまで出現し、鉄道軌道に大きな負担がかかってきたのですが、当時の鉄道軌道は非常時の輸送をやり切ることができました。
現在は、鉄軌道もバスも経営を維持するために価値観は変貌し、余剰や無駄はあってはならないとして設備、人員とも削りに削り、往々にして過度にスリム化しています。そこに急に負荷がかかってきても耐えられないのではないかと心配されます。
